【概要】
島根県奥出雲町にある「斐乃上温泉」は、ヤマタノオロチ伝説ゆかりの地に湧く温泉です。良質なアルカリ性単純温泉で、pH9.9という高い数値を誇り、古い角質を落とすクレンジング効果が期待できます。肌触りは非常に滑らかで、入浴後は化粧水がいらないほどのしっとり肌になると評判です。
【歴史】
斐乃上温泉(ひのかみおんせん)は島根県奥出雲町にある温泉で、ヤマタノオロチ伝説の舞台となった斐伊川の源流に位置しています。古くから美人の湯として親しまれ、のちに嬉野温泉、喜連川温泉とともに日本三大美肌の湯に数えられるようになりました。奥出雲はたたら製鉄が盛んだった地域で、鉄と稲作が支えた暮らしの記憶が今も色濃く残ります。人里離れた静けさのなかに湯が湧く、隠れ家のような温泉地です。
【特徴】
斐乃上温泉はpH9.9という日本屈指の高アルカリ性単純温泉で、古い角質を落とすピーリング作用とクレンジング作用を併せ持ちます。化粧水のようにとろりとした湯ざわりで、上がったあとに肌がすべすべになると評判です。源泉の温度は低めのため加温して使われますが、その分やわらかく肌になじみ、長くゆっくり浸かるのに向いています。派手さはないものの、湯そのものの質で選ばれてきた温泉と言えるでしょう。
【見どころ】
湯を味わえるのは公共の温泉施設「斐乃上荘」で、現在は宿泊を休んで日帰り入浴と食事の営業を続けています。周辺にはカタクリの群生地として知られる船通山がそびえ、初夏の登山も人気です。奥出雲たたらと刀剣館では、日本刀の材料となる玉鋼(たまはがね)ができるまでの工程を学べます。清らかな水が育てた奥出雲そばやブランド米の仁多米も、この土地ならではの味わいです。
【トリビア】
ヤマタノオロチ伝説では、スサノオノミコトが大蛇を退治した際に流れた血で川が赤く染まったことが斐伊川の名の由来だとも語られます。実際には、たたら製鉄で流れ出た鉄分が川を赤く見せたという説も有力です。pH9.9という数値は石鹸に近い値で、肌がぬるつくのは皮脂が乳化しているためだと説明されています。奥出雲は「もののけ姫」のたたら場の着想源の一つとも言われてきました。
