【概要】
阿蘇パノラマラインは、阿蘇カルデラの中央にそびえる阿蘇五岳へ北・西・南の三方から上る県道の愛称で、熊本県道111号と298号からなります。代表的な景勝地の草千里ヶ浜では、烏帽子岳のふもとに広がる大草原と雨水のたまった池、噴煙を上げる中岳を一度に眺められます。外輪山に囲まれた雄大なカルデラを見下ろしながら走れる道です。
【歴史】
阿蘇パノラマラインの前身は、有料道路として整備された阿蘇登山道路とされています。阿蘇駅の方から上る北側の道、西側の道、南阿蘇から上る南側の道が山上へ向かう途中で合流し、中岳の火口に近い山上広場へ通じています。2016年の熊本地震では各所で道路が崩れて寸断され、その後、区間ごとに復旧が進められて順次通れるようになりました。
【特徴】
熊本県阿蘇市にある草千里ヶ浜は、阿蘇パノラマライン随一の景勝地とされる草原です。烏帽子岳の北のふもと、標高およそ1100メートルに広がる約78ヘクタールの草地は、約3万年前の火山の火口跡と考えられています。草原の中ほどには雨水がたまった池があり、季節によっては放牧された馬がのんびりと草をはむ姿が見られます。
【見どころ】
阿蘇駅側から上る区間では、円すい形の米塚が道の脇に現れ、なだらかな草原と見事な対比をなします。草千里の展望所からは、カルデラの底に広がる田畑や町並み、その向こうに連なる外輪山まで見渡せます。中岳の火口周辺は火山活動に応じて立ち入りが規制され、冬の凍結などで通行が制限されることもあるため、出かける前に最新の情報を確かめると安心です。
【トリビア】
北側の区間の沿道に立つ米塚は、高さ約80メートルの小さな火山です。頂上がくぼんでいるのは、阿蘇を開いたとされる健磐龍命が収穫した米を積み上げ、貧しい人々に分け与えるためにすくい取った跡だという伝説が残ります。米塚は保護のため登ることができず、緑の草に覆われた整った姿を道路沿いから眺めて楽しむ山として、多くの人に親しまれています。
