東京三大煮込みとは、居酒屋探訪家・太田和彦氏が選んだ東京を代表する煮込みの名店3軒を指します。月島の岸田屋・森下の山利喜・北千住の大はしはいずれも下町に根ざした老舗大衆酒場であり、それぞれが独自の製法で長年継ぎ足してきた秘伝の煮込みを提供しています。牛すじと豆腐の味噌煮込み、ガーリックトーストと楽しむ洋風煮込み、明治から続く伝統のもつ煮込みと、三者三様の個性が東京の酒場文化の奥深さを物語っています。
A.岸田屋の「牛にこみ」は牛すじと豆腐を味噌ベースの出汁で煮込んだものです。山利喜は牛すじやモツを濃厚に煮込み、ガーリックトーストを添えてソースまで味わうのが店の作法です。大はしは継ぎ足してきたと伝わる煮汁で牛モツを煮上げ、味噌と醤油を合わせた味付けです。
A.創業年が分かっている店では、1877年に北千住で創業した大はしが最も古くなります。山利喜は1925年に森下で創業しました。岸田屋は創業年がはっきりしませんが、明治から大正にかけて汁粉屋として始まり、のちに酒場へ転じたと伝えられています。
A.三代目が伝統の煮込みにガーリックトーストを添えるという工夫を持ち込み、それが評判を呼んだためです。当初は常連客を驚かせたといいますが、今では店の代名詞になりました。濃厚なソースはワインともよく合い、下町の大衆酒場でありながらワイン好きにも支持されています。
A.岸田屋は中央区月島、山利喜は江東区森下、大はしは足立区北千住にあり、いずれも下町の酒場です。直線距離では岸田屋と山利喜が約4km、山利喜と大はしが約7km、岸田屋と大はしが約10kmと、三軒とも東京都内の近い範囲に集まっています。
A.遅い時間には味わえないこともあります。牛にこみは毎日仕込むため、売り切れ次第で終わってしまうからです。岸田屋は開店前から行列ができる人気店で、席も限られているため、開く前から並ぶ常連も少なくありません。