岐阜県南部、木曽川の北に連なる各務原アルプスの山裾には、不動明王をまつる霊場が点在します。なかでも関市の迫間不動、各務原市の日乃出不動と山中不動の三か所は美濃三不動と呼ばれ、岐阜県の観光公式サイトなどでもその呼び名が使われています。いずれも岩窟や巨岩そのものを聖域とする岩石信仰の色が濃く、近世からの御嶽信仰の広がりとともに栄えたとされます。
A.迫間不動が美濃三不動のなかでもっとも古い由緒を伝え、寺伝では弘仁十四年、西暦八二三年の創建と伝えられます。山中不動は嘉祥年間、西暦八五〇年ごろに岩へ不動明王の石像が刻まれたと伝わり、日乃出不動は明治二十年ごろに霊場として開かれたと伝えられます。
A.三つとも岩窟や巨岩そのものを聖域とする岩石信仰の色が濃い霊場です。迫間不動は本尊の不動明王を天然の岩窟に安置し、日乃出不動は自然のままの岩を御神体として御嶽大神をまつり、山中不動は本堂に接して立つ巨岩そのものが信仰の中心になっています。
A.三か所とも岐阜県の各務原アルプスの山裾にあり、迫間不動は関市、日乃出不動と山中不動は各務原市です。直線距離で迫間不動と日乃出不動は約1km、日乃出不動と山中不動は約2km、迫間不動と山中不動は約3kmと近くに並んでいます。
A.日乃出不動は美濃三不動のなかでもっとも参拝者が多く、講を組んで訪れる信者の姿が見られる活気のある霊場です。山中不動は訪れる人がもっとも少なく、木立に包まれた深い静けさが際立ちます。迫間不動は参道に食事処や土産物の店が並び、平日でも参拝する人の姿が絶えません。
A.日乃出不動の境内のいちばん上にある大きな岩で、その名の縁起のよさから、受験生や就職活動をする人の願掛けの場として知られています。全国から願掛けに訪れる人がいるほどで、岩そのものを信仰の対象としてきたこの霊場の性格をよく表しています。