【概要】
横手やきそばは、太くて真っ直ぐな角麺(ゆで麺)を使用し、目玉焼きをトッピングするのが特徴です。具材はキャベツと豚挽肉で、付け合わせには紅しょうがの代わりに福神漬けが添えられます。半熟の目玉焼きの黄身を麺に絡めて食べるのが横手流です。
【歴史】
横手やきそばは、戦後まもない秋田県横手市で生まれたと伝わります。屋台のお好み焼き店を営んでいた元祖神谷焼きそば屋の萩原安治が、鉄板を使う新しい品として1950年ごろに考案したとされ、1953年ごろには太い角麺を用いる現在の形が完成しました。安く手軽に作れることから駄菓子屋や民家の軒先でも売られ、最盛期には百軒を超える店が並ぶ市民の日常食となりました。
【特徴】
麺は縮れのない太くまっすぐな角形のゆで麺で、柔らかくもちりとした食感が身上です。具はキャベツと豚のひき肉が基本で、店によってはホルモンも加わります。ソースは各店が独自に配合したウスターソース系で、だしを利かせたやや水分の多い仕立てが多く、上には片面焼きの目玉焼きがのり、付け合わせには紅生姜ではなく福神漬けが添えられるのも大きな特色で、彩りと箸休めを兼ねた工夫となっています。
【食べ方】
まず目玉焼きの黄身を箸で崩し、麺全体にゆっくり絡めるのが横手やきそばの作法です。半熟の黄身がソースの酸味をやわらげ、まろやかなコクへと変えてくれます。黄身とソースが混ざり合う瞬間が最大の見せ場です。途中で福神漬けをはさめば甘酸っぱさが箸を進ませ、最後まで飽きることなく食べられます。持ち帰り用に目玉焼きを別添えにする店もあり、家庭でも同じ手順で仕上げるのが定番になっています。
【トリビア】
2001年に町おこしの核として横手やきそば暖簾会が発足し、加盟する店は2021年9月の時点で三十軒ほどとされます。2007年からは毎年秋に四天王決定戦が開かれて上位の四店が選ばれてきましたが、2023年には横手やきそばフェスティバルへと名称を改めました。B-1グランプリでは第1回で2位、地元開催となった2009年の第4回で優勝を果たし、全国にその名を広めました。

