【概要】
北アルプスの険しい峰々に囲まれた、平蔵谷などと共に剱岳の展望台としても知られる雪渓。立山黒部アルペンルートからのアクセスも良く、夏スキーのメッカとしても利用されます。雪渓越しに仰ぐ剱岳の姿は圧巻です。
【歴史】
剱沢雪渓は富山県立山町にある大規模な雪渓で、白馬大雪渓、針ノ木雪渓と並ぶ日本三大雪渓の一つに数えられています。剱岳の東側に刻まれた剱沢に沿って伸び、室堂平から剱岳を目指す登山ルート上に位置しています。剱岳は「岩と雪の殿堂」と称される日本有数の難峰で、この雪渓をたどって頂を目指す登山者は今も後を絶ちません。
【特徴】
雪渓は標高2000メートルから2600メートルほどの高さに横たわり、長さは2.5キロメートルほどに及びます。真夏でも雪の上を歩く区間が残るため、アイゼンとピッケルは必携です。谷が深く切れ込んでいるぶん雪の量も多く、下部では雪解けが進んでシュルンドと呼ばれる裂け目が口を開けることもあります。天候が急変しやすく、経験を積んだ登山者向けの本格的なコースといえます。
【見どころ】
剱岳登山の拠点となる剱沢のキャンプ場は、目の前に岩の殿堂がそびえる絶好のロケーションです。頂上から見渡す360度のパノラマは、日本百名山のなかでも屈指の眺めといってよいでしょう。室堂平から黒部ダムへ抜ける立山黒部アルペンルートと組み合わせれば、登山と観光を一度に楽しめます。真砂沢ロッジや剱御前小舍など、周辺には山小屋も点在しています。
【トリビア】
剱岳は1907年に陸地測量部の柴崎芳太郎らが登頂して測量を行いましたが、山頂では錫杖頭と鉄剣が見つかり、はるか昔の人々がすでに登っていたことが明らかになりました。剱沢を取り巻く山域では、2012年に三ノ窓雪渓と小窓雪渓、立山の御前沢雪渓が国内で初めて現存する氷河と確認され、大きなニュースになっています。夏も消えない雪は北アルプスの象徴です。

