【概要】
日本最大規模を誇る全長約3.5km、標高差600mの大雪渓。白馬岳への主要ルートであり、夏には多くの登山者が雪上を歩きます。雪解け水が育む高山植物のお花畑も有名で、涼を求める登山者に人気です。
【歴史】
白馬大雪渓は長野県白馬村にある日本最大規模の雪渓で、白馬岳と杓子岳に挟まれた谷に全長約3.5キロメートルにわたって横たわっています。標高差はおよそ600メートルに達し、夏でも解けきらない万年雪として知られてきました。飛騨山脈の白馬三山へ向かう登山ルートにあたり、明治時代から多くの登山者に親しまれ、日本の近代登山を語るうえで欠かせない場所となっています。
【特徴】
雪渓は白馬尻の標高1550メートル付近を末端とし、葱平と呼ばれる2300メートル付近まで続いています。真夏でもひんやりとした空気に包まれ、天然の冷蔵庫のなかを歩いているような感覚を味わえます。積もった雪が自らの重みで締まって固くなるため、通り抜けるには軽アイゼンが欠かせません。落石や滑落の危険もあり、装備と経験を備えたうえで臨みたいルートです。
【見どころ】
白馬岳登山の王道は、猿倉の登山口から白馬尻を経て雪渓をたどり、山頂を目指すコースです。雪渓を抜けるまでにはおよそ二時間半かかりますが、真夏に雪の世界を歩ける体験はほかに代えがたいものがあります。上部のお花畑では高山植物が咲きそろい、白馬大池や白馬三山の縦走など多彩なルートも選べます。麓の白馬村は夏の登山と冬のスキーで一年中賑わいます。
【トリビア】
この一帯は世界有数の豪雪地帯で、冬には数メートルの雪が積もり、それが谷に吹きだまって夏まで残ります。「白馬」の地名は、雪解けの時季に山肌へ現れる代掻き馬の雪形に由来し、古くは農作業の暦として役立てられてきました。登山シーズンは7月から9月が中心で、雪渓では落石が多いため早朝の出発が鉄則です。冬にはバックカントリースキーの聖地としても知られています。
