【概要】
高知県(土佐)の男性の気質を表す土佐弁。「快男児」や「酒豪」のニュアンスを含み、頑固で気骨があり、小さなことにこだわらない豪快な性格を指す。権力に屈しない反骨精神と、一度決めたことは貫き通す強い意志を持つ。
【歴史】
土佐いごっそうは、高知県の男性の気質を指す土佐弁で、「異骨相」の字をあてることがあり、日本三大頑固の一つに数えられます。頑固で気骨があり、信念のためには自分より上の権力とも争う反骨の人柄を表す言葉です。土佐藩には上士と郷士という厳しい身分の隔てがあり、その中で郷士たちに培われた気風が背景にあると説明されてきました。幕末には多くの志士を輩出した土地柄でもあります。
【特徴】
いごっそうは、ただ強情なだけの人物像ではありません。弱い立場の者には情け深く、行動は豪快で細かい計算を好まない一方、気が乗らないことには動かないという面もあわせ持ちます。酒席を大切にする人物像と結びつけて語られることも多く、女性の快活さを表す「はちきん」と対にすると、土佐の県民性を言い表す組み合わせになります。宴席の返杯の作法も、豪快さの象徴として語られてきました。
【見どころ】
高知県高知市にある高知城は、天守と本丸御殿がそろって残る全国でも珍しい城で、追手門から天守までが往時の姿をとどめています。ふもとの高知城歴史博物館や、桂浜に立つ坂本龍馬の像、板垣退助ゆかりの地をたどれば、いごっそうと呼ばれた人々の足跡に触れられます。三百年以上続く日曜市の賑わいや、皿鉢料理を囲む酒席の文化も、土佐らしさを感じられる場です。海と山が近い土地の風景もあわせて味わえます。
【トリビア】
明治時代、板垣退助を中心に土佐から自由民権運動が起こり、明治七年(一八七四年)には政治結社の立志社が高知に結成され、国会開設を求める動きの中心となりました。権力に屈しない気質が運動の原動力になったと語られています。現在も「いごっそう」の語は土産物や催しの名称に使われ、県民性を示す言葉として親しまれ、高知市には自由民権記念館も置かれ、当時の資料や運動の歩みを伝えています。

