水府提灯

(すいふちょうちん)
📍 茨城県 水戸市🥢 名産🎭 文化

【概要】

水府提灯は茨城県水戸市で生産される日本三大提灯産地の一つ。江戸時代に水戸藩の産業振興として奨励され始めた。水に強い西ノ内紙と良質な竹を主材料とし、「一本掛け」という独自の手法で作られる丈夫な提灯として知られる。

【歴史】

水府提灯は、茨城県水戸市を中心に作られてきた提灯で、「水府」は江戸時代における水戸の別称です。およそ四百年前、水戸藩の下級武士が暮らしを支えるための内職として作り始めたのが起こりと伝わり、藩も領民の生業としてその生産を奨励しました。やがて岐阜、八女と並び称される日本三大提灯産地の一つに数えられ、丈夫な提灯の産地として広く知られていきます。

【特徴】

材料には、水戸藩が奨励して漉かせた水に強く丈夫な西ノ内紙と、良質な竹が用いられます。製法は「一本掛け」と呼ばれ、竹ひごを一本ずつ輪にしたうえで糸を絡めながら組み上げるため、螺旋巻きより手間はかかるものの型崩れしにくく長持ちします。質実剛健といわれる水戸の気風をそのまま映した、堅牢で実用的な提灯として古くから高い評価を受け、各地の祭礼や商家でも重宝されてきました。

【見どころ】

水戸市内には江戸期から続く提灯店が今も残り、伝統工芸士の手仕事を間近に見学したり、型組みからひご巻き、紙張りまでを実際に体験できる工房もあります。夏に開かれる水戸黄門まつりでは、家紋や文字を入れた水府提灯が街を彩り、祭りの夜を温かく照らします。手に提げる弓張提灯や軒先に吊るす高張提灯など、実用の灯りとしての姿も見ることができます。

【トリビア】

作り手は最盛期に比べて大きく減りましたが、残る工房は新しい挑戦を続けています。LED光源を組み込んだ照明や、和紙の質感を生かした現代的な意匠の提灯が生まれ、国内外の展示会でも紹介されてきました。水戸藩ゆかりの西ノ内紙を張った灯りは、祭礼の場や神社仏閣への奉納、家紋や屋号を入れた誂え品として、今も地元の暮らしのなかに深く根づいています。

📅 最終更新: 2026/9/6
水府提灯
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です