信州馬刺し

(しんしゅうばさし)
📍 長野県 長野市🥢 名産🍜 料理

【概要】

長野県(信州)も古くから馬肉文化が盛んな地域です。かつては農耕馬としての役割を終えた馬を食する習慣から始まりました。信州の馬刺しは、きめ細やかな赤身肉が特徴で、さっぱりとした味わいが楽しめます。食べ方は地域や家庭によりますが、ショウガ醤油やニンニク醤油、または信州味噌を使ったタレで味わうのが一般的です。

【歴史】

信州馬刺しを育んだ伊那谷は、古代にヤマト王権へ馬を献上した地と伝わるほど、馬とのゆかりが深い土地です。江戸時代から鉄道が開通するまで、伊那谷を通る三州街道は中山道の脇往還として馬による荷駄輸送でにぎわい、沿道では多くの馬が飼われていました。役目を終えた馬を食べる習慣から、馬刺しや桜鍋といった食文化が生まれたとされ、今日まで受け継がれています。

【特徴】

信州馬刺しは、きめの細かい赤身を主体とするのが特徴で、さっぱりとした後味が身上です。長野県は山がちな地形で牛の飼育に適さず、農耕や運搬を担った馬のほうが身近な家畜であったため、馬肉は特別なごちそうというより日常の食材として扱われてきました。今も県内のスーパーマーケットには馬刺し用の肉が並び、家庭の食卓に当たり前のように上るほど身近な存在です。

【食べ方】

信州馬刺しは、おろし生姜を溶いた醤油やニンニク醤油でさっぱりといただくのが定番で、信州味噌を使ったタレを合わせる家庭もあります。伊那谷では馬の腸を長時間煮込んだ「おたぐり」を添えるのが通の楽しみ方です。こくのある独特の味わいは日本酒や焼酎とよく合い、伊那や飯田の居酒屋では馬刺しとおたぐりを組み合わせた盛り合わせが、定番の献立として供されています。

【トリビア】

馬の腸は牛や豚のものより格段に長く、下処理の際に手でたぐり寄せて洗う様子から「おたぐり」の名が付いたと伝わります。馬の内臓を食べる習慣は明治後期に始まり、商いとして広まったのは大正期で、飯田の松尾にあった食肉店が煮込みを売り出したのが始まりとされます。信州では刺身のほか、たたきや焼き肉、桜鍋も郷土の味として広く親しまれ、馬肉が暮らしに溶け込んでいます。

📅 最終更新: 2026/9/6
信州馬刺し
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です