【概要】
南アルプスの塩見岳近く、長野県と静岡県の境に位置する峠。標高2,580mで、日本の峠の中で最も標高が高いとされる(車道を除く)。南アルプス南部の重要な登山基地となっており、周辺には高山植物が咲く。
【歴史】
三伏峠は長野県大鹿村にある標高2580メートルの峠で、静岡県との県境に近い南アルプスの稜線上に位置しています。車道の通じる峠を除けば日本で最も高い所にある峠とされ、日本三大峠の一つに数えられてきました。古くは信州側の山村と山向こうの谷筋を結ぶ細い山道でしたが、明治以降に南アルプスの登山が盛んになると、北部と南部をつなぐ縦走路の要として広く知られるようになりました。
【特徴】
三伏峠は南アルプスの縦走路上にあり、塩見岳や荒川岳方面へ向かう登山者の拠点になっています。麓の鳥倉登山口からはおよそ三時間から四時間の登りで峠に着き、稜線に建つ三伏峠小屋に泊まって翌朝から頂を目指すのが一般的な行程です。峠の周囲にはお花畑が広がり、七月から八月にかけて色とりどりの高山植物が咲きそろい、稜線歩きの疲れをやわらげてくれます。
【見どころ】
三伏峠小屋は夏から秋の営業期間中、多くの登山者でにぎわう山上の拠点です。北へ進めば日本百名山の塩見岳がそびえ、兜をかぶったような山容と頂上からの大展望が待っています。南へたどれば荒川三山や赤石岳へと縦走でき、南アルプスの奥深さを存分に味わえます。峠一帯のお花畑ではマツムシソウやタカネナデシコなどが揺れ、夏の稜線を彩ってくれます。
【トリビア】
三伏という名の由来には、峠へ至るまでに三つの小さな起伏を越えるからだという説など、いくつかの言い伝えが残されています。南アルプスは北アルプスに比べて登山者が少なく、静かな山歩きを求める人に好まれる山域です。登山口へ通じる鳥倉林道は通行できる期間が限られ、季節によっては手前のゲートから歩く必要があるため、出発前の確認が欠かせません。

