布引の滝

(ぬのびきのたき)
📍 兵庫県 神戸市🌿 自然⛰️ 名所🎭 文化

【概要】

神戸市街地の背後に位置し、雄滝(おんたき)・雌滝(めんたき)など4つの滝の総称。平安時代から貴族や歌人に愛され、伊勢物語や古今和歌集にも登場する、歴史と信仰の深い滝です。

【歴史】

布引の滝は兵庫県神戸市にある滝で、生田川の中流にかかる雄滝、夫婦滝、鼓ヶ滝、雌滝の四つを合わせた総称です。白い布をさらしたように水が落ちることからこの名がついたと伝わり、平安時代には都の貴族や歌人が訪れる歌枕として名を高めました。滝そのものが神聖な場として敬われてきた歴史から、華厳滝、那智滝とともに日本三大神滝に数えられています。

【特徴】

四つの滝のうち、一般に布引の滝として親しまれているのは高さ約四十三メートルの雄滝です。岩をつたって幾筋にも分かれながら落ちる水は繊細で、雄々しさよりも優美さが際立ちます。周囲の布引渓流は名水百選にも選ばれ、都市の中心部とは思えないほど清らかな水と緑に包まれています。新神戸駅の裏手から遊歩道が整備され、駅を出て十数分で滝の前に立てる手軽さも大きな特徴です。

【見どころ】

滝めぐりのあとは、そのまま上流へ足を延ばすのがおすすめです。明治三十三年(一九〇〇年)に完成した布引五本松堰堤は、水道用としては日本で最初につくられた重力式コンクリートダムで、英国人技師ウィリアム・バルトンの設計により築かれ、国の重要文化財に指定されています。さらに登れば神戸布引ハーブ園があり、散策路の先には街と港を見渡す大きなパノラマが待っています。

【トリビア】

『伊勢物語』第八十七段には、布引の滝を訪れた在原業平が「ぬき乱る人こそあるらし白玉の間なくも散るか袖のせばきに」と詠む場面が描かれています。飛び散る水しぶきを、糸から抜け落ちた白玉になぞらえた一首です。ほかにも『栄花物語』をはじめ多くの作品に登場し、和歌山の那智滝、栃木の華厳滝と並ぶ名瀑として、千年以上前から人々の心をとらえ続けてきました。

📅 最終更新: 2026/9/6
布引の滝
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です