【概要】
丹生都比売神社は和歌山県かつらぎ町にある神社で、別名「天野明神」として知られる。高野山の鎮守神として弘法大師との縁が深く、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産。朱塗りの太鼓橋と社殿が美しく、厄除け・縁結びの御利益で信仰を集める。
【歴史】
丹生都比売神社は和歌山県かつらぎ町にある天野の里に鎮座する古社で、創建は千七百年余り前にさかのぼると伝えられます。全国に広がる丹生神社の総本社にあたり、土地の人々からは「天野明神」の名でも親しまれてきました。社伝では、丹生都比売大神の御子である高野御子大神が空海を高野山へ導いたとされ、以来この社は高野山の鎮守として、長きにわたり篤い信仰を受け継いできました。
【特徴】
祭神の丹生都比売大神は、あらゆる災厄を祓い退ける神として古くから信仰されてきました。高野山へ向かう修行僧や参詣者は、まずこの社に詣でてから山へ上るのが古くからの習わしだったと伝わります。四つの社殿が横に並ぶ丹生都比売神社の本殿は室町時代の建築で国の重要文化財に指定され、明応8年(1499年)に建てられた楼門とともに、朱塗りの姿が緑深い山あいによく映えます。
【見どころ】
鳥居をくぐってすぐ、鏡池に架かる朱塗りの輪橋(太鼓橋)が参拝者を迎えます。大きく反ったこの神橋は、豊臣秀吉の側室である淀殿が寄進したものと伝わり、今も石の土台が受け継がれています。標高四百五十メートルほどの盆地に開けた境内は四季の彩りが豊かで、春の桜と秋の紅葉は朱の社殿とよく調和します。手水舎を花で埋める花手水も人気を集め、静けさに満ちた空気が旅人を包みます。
【トリビア】
丹生都比売神社は、平成16年(2004年)に「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産として世界遺産へ登録され、境内は国の史跡にも指定されています。高野山への表参道である町石道はこの社の前を通っており、今も歩いて高野山を目指す参詣者が絶えません。社名の「丹」は水銀の原料である辰砂を指す語で、この地における古代の朱の産出との深いつながりを示すものとされています。

