【概要】
眼鏡橋は長崎県長崎市の中島川に架かる日本最古の石造りアーチ橋。1634年に興福寺の黙子如定禅師によって架設された。川面に映る二つのアーチが眼鏡のように見えることから名付けられた、国の重要文化財。
【歴史】
眼鏡橋は、長崎県長崎市を流れる中島川に架かる石造の二連アーチ橋です。1634年(寛永11年)に、興福寺の二代目住職であった中国出身の僧・黙子如定が架けたと古くから伝えられています。当時の長崎は中国との貿易で栄えており、大陸の進んだ石橋技術がもたらされた貴重な例です。日本最古のアーチ型石橋とされ、1960年(昭和35年)に国の重要文化財に指定されました。
【特徴】
中島川には江戸期に数多くの石橋が架けられましたが、その大半が単アーチであるのに対し、眼鏡橋だけは二連のアーチをつないだ構造をとっています。川面に映る影とアーチが合わさって二つの円を描き、眼鏡のように見えることが名の由来です。石を積み上げただけの構造ながら堅牢で、洪水のたびに補修を重ね、四百年近くにわたって同じ場所で川をまたぎ続けてきました。近世の石工の技を今に伝える、貴重な土木遺産でもあります。
【見どころ】
石橋群が並ぶ中島川沿いは散策路として整備され、川面すれすれの遊歩道から眼鏡橋を見上げることができます。近年は護岸の石積みに紛れ込ませるように積まれたハート形の石が話題を呼び、恋愛成就を願って探す観光客の姿が絶えません。二十個ほどあるといわれ、どれを見つけられるかも楽しみのひとつです。春の新緑や初夏の紫陽花、秋の澄んだ水面など、季節ごとの彩りも眼鏡橋の姿を引き立てます。
【トリビア】
1982年(昭和57年)の長崎大水害では中島川の石橋の多くが流失し、眼鏡橋も半分ほどが崩れる大きな被害を受けました。それでも流失は免れ、流された石材を回収したうえで翌年に復元されています。皇居の正門石橋、通称二重橋のモデルになったという説も語られており、日本の石造アーチ橋の歴史を語るうえで欠かせない存在であり、長崎の異国情緒を象徴する風景として親しまれています。

