丸山(長崎)

(まるやま)
📍 長崎県 長崎市🏯 歴史🎭 文化📦 その他

【概要】

鎖国時代に唯一の貿易港だった長崎に位置し、オランダ人や唐人との交流が許された国際色豊かな花街。「長崎の丸山」として全国に名を馳せ、井原西鶴の「日本永代蔵」にも描かれました。料亭「花月」など、歴史的な建物が現存しています。

【歴史】

丸山(長崎)は、寛永十九年(1642年)に市中へ散らばっていた遊女屋を一か所へ集めることで開かれた遊郭です。長崎県長崎市の中心部、思案橋から石段を上っていった高台の一帯がその跡地にあたり、丸山町・寄合町という地名が今も残っています。鎖国のもとで唯一海外に開かれていた港町を背景に、幕末まで西日本有数の花街として栄え、昭和三十一年にその長い歴史に幕を下ろしました。

【特徴】

丸山の遊女たちには、日本人を相手にする者のほかに、唐人屋敷へ通う唐人行き、出島のオランダ商館へ通う阿蘭陀行きという三つの区別がありました。そのため異国の言葉や習慣に触れる機会が多く、砂糖やギヤマンといった珍しい舶来の品が座敷を飾ったといいます。井原西鶴が「日本永代蔵」のなかで丸山の名を挙げて書き記したように、その評判は上方や江戸にまで広く知れ渡っていました。

【見どころ】

跡地の周辺には、往時の面影を伝える場所がいくつも点在しています。引田屋の庭に設けられた茶屋を起源とする料亭花月は、江戸期の座敷をそのまま今に伝える建物で、柱には坂本龍馬がつけたと伝わる刀傷が残されています。丸山公園には龍馬の銅像が立ち、遊女たちの信仰を集めた梅園身代り天満宮や、行こうか戻ろうか迷ったという思案橋の跡も、町歩きの楽しみとなっています。

【トリビア】

オランダ商館の医師として来日したシーボルトが妻とした其扇(そのおうぎ)は丸山の遊女で、本名を楠本滝といいます。二人の間に生まれた楠本イネは、のちに日本で最初の女性産科医として知られる存在になり、その生涯は小説などにも描かれています。また秋の長崎くんちでは、丸山町と寄合町が踊町として本踊などを奉納し、花街で磨かれた芸が祭りの舞台で受け継がれています。

📅 最終更新: 2026/9/6
丸山(長崎)
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です