【概要】
国府宮はだか祭(儺追神事)は、愛知県稲沢市の尾張大國霊神社で行われる厄除け神事です。ふんどし姿の数千人の男たちが、一人の「神男(しんおとこ)」に触れて厄を落とそうと揉み合います。約1250年の歴史を持ち、凄まじい熱気と迫力に包まれる尾張の奇祭です。
【歴史】
愛知県稲沢市にある尾張大國霊神社は、地元で国府宮の名で親しまれてきた、尾張国の総社にあたる格式の高い神社です。神護景雲元年(767年)、称徳天皇の勅命により全国で悪疫退散の祈願が行われた際、尾張国司がこの社で厄除けの神事を営んだのが起源と伝わります。国府宮はだか祭は正式には儺追神事といい、1250年余りにわたって絶えることなく受け継がれてきた、東海地方を代表する神事です。
【特徴】
神事は旧暦正月13日に行われ、数千人ともいわれる裸男たちが厄除けを願って神社を目指します。中心となるのは神籤によって選ばれた神男で、儺負人とも呼ばれ、人々の厄を一身に引き受ける重い役目を担います。神男に触れれば厄が落ちるとされ、裸男たちが押し寄せる揉み合いは凄まじく、冷水が浴びせられて境内は湯気と熱気に包まれ、神男が拝殿にたどり着くと神事は最高潮を迎えます。
【楽しみ方】
裸で参加できない人は、名前や年齢、願い事を書いた布を結んだなおい笹を奉納します。2024年からは女性による奉納も認められ、上着を着けた姿で午前中に参拝する形が整えられました。前日には重さ約4トンの大鏡餅が奉納され、翌日には切り分けられて参拝者に振る舞われます。名鉄国府宮駅から歩いてすぐで、参道には数多くの露店が並び、祭りの日は一帯が大変な人出となります。
【トリビア】
神男は祭りの前から社にこもって身を清め、激しい揉み合いを終えた後、深夜の夜儺追神事に臨みます。人々の厄を封じ込めた土餅を背負って午前3時ごろに境内の外へ送り出され、その土餅は土に埋められて罪や穢れが大地に返されるとされています。国府宮はだか祭は、昼の熱狂の裏で静かな厄送りの儀式によって締めくくられます。この深夜の神事を見届ける人はごくわずかで、境内は昼とは対照的な静けさに包まれます。

