【概要】
横浜市中区にある、戦後の接収解除後に形成されたドヤ街。約200m×300mの狭いエリアに多数の簡易宿泊所が密集しています。現在は高齢化が進み、福祉の充実した街としての取り組みが進められています。横浜中華街や元町にも近い立地です。
【歴史】
寿町は、神奈川県横浜市にあり、中区のJR石川町駅にほど近い一帯です。第二次世界大戦後、この周辺はアメリカ軍に接収されていましたが、昭和30年(1955年)に接収が解除されると、職業安定所が移され、港湾労働者のための簡易宿泊所が次々と建てられていきました。こうして東京の山谷、大阪のあいりん地区と並ぶ寄せ場のひとつとして、日本三大ドヤ街に数えられる街が形づくられました。
【特徴】
およそ200メートル四方という狭い範囲に簡易宿泊所が密集しているのが最大の特徴で、平成19年度には122軒、8685室を数え、6301人が暮らしていました。三大寄せ場のなかでも面積が際立って小さく、人口密度の高さが目を引きます。現在は住民の高齢化と生活保護を受ける人の割合の高さが課題となっており、労働者の街から福祉の街へと、その性格を大きく変えてきた地域です。
【見どころ】
寿町は横浜中華街や元町、山下公園といった名だたる観光地のすぐ近くにありながら、そこにはまったく異なる時間が流れています。街の中心には、令和元年(2019年)に旧・寿町総合労働福祉会館を建て替えて開かれた横浜市寿町健康福祉交流センターがあり、診療所や公衆浴場、市営住宅などを備えています。簡易宿泊所を改装したゲストハウスや飲食店も生まれ、街の姿は少しずつ変わりつつあります。
【トリビア】
「ドヤ」は「宿」を逆さに読んだ隠語で、こうした簡易宿泊所が集まる街をドヤ街と呼ぶようになりました。狭い敷地にできるだけ多くの部屋を確保するため、独特の構造をもつ建物が多く、建築を学ぶ人たちの調査対象にもたびたびなってきました。近隣には外国にルーツをもつ住民も数多く暮らしており、支援に取り組むNPOや、街の歩みを記録に残そうとする活動も長く続けられています。

