【概要】
西成区北東部に位置する、日本最大の日雇い労働者の街。かつては暴動なども発生しましたが、現在は行政とNPOによる支援が進み、福祉の街としての側面が強まっています。安価な宿泊施設が多いことから、海外からの旅行者も増加しています。
【歴史】
あいりん地区(釜ヶ崎)は、大阪府大阪市にあり、西成区の北東部、JR新今宮駅の南側に広がる一帯の通称です。明治期以降、都市の貧困層が身を寄せる木賃宿の街として形づくられ、昭和20年(1945年)の大阪大空襲でほぼ焼失した後、宿の街として再出発しました。1950年代には全国有数のドヤ街と呼ばれ、昭和41年(1966年)には行政と報道機関の申し合わせで現在の呼称が用いられるようになりました。
【特徴】
「ドヤ」は「宿」を逆さに読んだ言葉で、旅館業法にいう簡易宿所が密集することに由来します。高度経済成長期には日雇い労働者の求人と求職が集まる寄せ場として機能し、昭和61年(1986年)には2万4000人を超える労働者が暮らしていたとされます。労働環境や生活をめぐる不満から騒動が起きたこともありました。現在は住民の高齢化が進み、行政やNPOによる生活支援が街の大きな役割となっています。
【見どころ】
あいりん地区(釜ヶ崎)は通天閣や新世界、天王寺公園といった名所に隣接しており、街を歩けば安価な食堂や立ち飲み屋が軒を連ねる庶民的な風景に出会えます。長く労働者を支えてきたあいりん総合センターは平成31年(2019年)に閉鎖され、建て替えが進められています。近年は簡易宿所を生かした格安の宿が海外からの旅行者に広く利用されるようになり、駅前には大型ホテルも開業しました。
【トリビア】
「釜ヶ崎」はかつて実在した地名ですが、町名の整理によって公式の地図からは姿を消し、現在は萩之茶屋や太子といった町名が用いられています。それでも釜ヶ崎の名は地元で使われ続け、数多くの書物やドキュメンタリー、歌の題材にもなってきました。街には安価な自動販売機や商店が多く、暮らしを支える独自の仕組みが育った場所として、社会学や福祉の分野において長く研究の対象とされてきました。
