【概要】
太平洋に面した弓状の海岸と、その背後に広がる松林が美しい景勝地です。「月の名所は桂浜」と民謡『よさこい節』にも歌われています。坂本龍馬像と共に、雄大な太平洋から昇る名月を望むことができる場所として親しまれています。
【歴史】
桂浜は、高知県高知市にある浦戸湾の入口に位置する弓なりの海岸で、龍頭岬と龍王岬に抱かれた白砂青松の景勝地です。戦国時代には長宗我部元親が浦戸城を築いた要地であり、江戸時代から月の名所として広く知られてきました。土佐の民謡『よさこい節』に、御畳瀬見せましょ浦戸を開けて月の名所は桂浜と唄い込まれたことで、桂浜の名は月見の地として全国へ広まっていきました。
【特徴】
桂浜の魅力は、太平洋に大きく開けた雄大な眺望にあります。水平線から昇る月が海面に長い光の帯を描く光景はムーンロードとも呼ばれ、波音とともに味わう月見は他では得がたい体験です。浜辺には五色の小石と呼ばれる色とりどりの砂礫が敷き詰められ、背後の松林と美しい対をなしています。ただし潮の流れが速いため遊泳は禁じられており、泳ぐ浜ではなく静かに眺めるための浜として親しまれています。
【見どころ】
浜を見下ろす高台には、太平洋の彼方をまっすぐ見つめる坂本龍馬像が立っています。1928年に地元青年たちの募金によって建てられたこの像は台座を含めて十三メートルを超え、今では土佐を象徴する存在です。近隣には高知県立坂本龍馬記念館や、手作りの展示で知られる桂浜水族館などの施設もそろい、龍王岬の展望台に登れば、松林と弓なりの砂浜、そして海と月を一度に一望することができます。
【トリビア】
中秋の名月には桂浜観月会が催され、灯籠の並ぶ園内で夜遅くまで月を愛でる土佐流の風習が受け継がれています。坂本龍馬像のかたわらには期間限定で仮設の展望台が組まれ、龍馬と同じ目線の高さから太平洋を望める催しも続けられてきました。桂浜から望む月は日本百名月にも認定されており、酒を酌み交わしながら月を待つ土佐らしい月見の名所として、改めて注目を集めています。
