【概要】
徳島県三好市に位置する深い渓谷。「日本三大秘境」の一つであり、平家の落人伝説が色濃く残る。シラクチカズラで編まれた「祖谷のかずら橋」は国指定重要有形民俗文化財で、スリル満点の渡橋体験ができる。断崖絶壁に立つ小便小僧の像も有名。
【歴史】
祖谷(いや)は徳島県三好市にある山深い渓谷地域で、平家の落人伝説が残る秘境として知られています。1185年の壇ノ浦の戦いに敗れた平家の一族がこの地へ逃れ、身を隠して暮らしたと伝わってきました。険しい山々に囲まれた地形が追手を退けたとされ、独自の文化と生活の形が今も息づいています。さらに奥へ分け入る奥祖谷は、山を歩く人たちにとって憧れの別天地です。
【特徴】
祖谷渓は深さが200メートルを超えるV字谷で、その底をエメラルドグリーンの祖谷川が悠然と流れていきます。急斜面に家々が張りつく落合集落は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれました。断崖に立つ小便小僧の像は、かつて地元の子どもが度胸試しをした場所だと語られます。かずら橋は追手に備えていつでも切り落とせるよう蔓で編んだとの伝説を持ちます。
【見どころ】
祖谷のかずら橋は国の重要有形民俗文化財で、長さ45メートル、水面からの高さは14メートルあります。床板の隙間から谷底がのぞき、揺れながら渡る時間はスリルに満ちています。ひの字渓谷の眺めや大歩危・小歩危の峡谷美も見逃せません。太くて短い祖谷そば、祖谷の石豆腐、串焼きのでこまわし、あめごの塩焼きなど、郷土の味も旅の楽しみです。
【トリビア】
かずら橋は3年ごとに架け替えられ、その際にはおよそ6トンものシラクチカズラが使われます。実際にはワイヤーで補強されているので安全ですが、見た目の迫力はまったく損なわれていません。落合集落は標高差390メートルの急斜面に民家が点在する、日本有数の傾斜地集落です。平家屋敷民俗資料館では、一族が残したと伝わる鎧や旗を見学できます。

