【概要】
1958年から約3年半続いた、神武景気を超える大型景気。「天の岩戸」以来の好景気という意味。「投資が投資を呼ぶ」と言われ、重工業化が進んだ。池田内閣の「所得倍増計画」もこの時期。位置情報は名前の由来となった天岩戸神社。
【歴史】
岩戸景気は、なべ底不況を抜けた1958年(昭和33年)7月から1961年(昭和36年)12月まで、42か月にわたって続いた大型景気です。先の神武景気を上回る勢いだったことから、神武天皇よりもさらに古い神話にさかのぼり、天照大神が天岩戸に隠れて以来の好景気という意味を込めて、岩戸景気と名づけられました。日本経済の力強さを世界に示した時期でもあります。
【特徴】
この時期の成長を支えたのは、鉄鋼や石油化学など重化学工業の猛烈な設備投資で、当時は「投資が投資を呼ぶ」と評されました。実質経済成長率が年に10パーセントを超える年が続き、1960年には池田勇人内閣が「所得倍増計画」を掲げ、10年で国民所得を2倍にする目標を示します。社会全体が明るい将来像を共有した時代でした。耐久消費財の需要も伸び続け、企業の増産が新たな雇用を生みました。
【見どころ】
岩戸景気の名の由来となった天岩戸神話の舞台が、宮崎県高千穂町にある天岩戸神社です。天照大神が隠れたと伝わる岩窟を御神体として拝み、岩戸川沿いの遊歩道を進んだ先には、八百万の神々が集まって相談したという天安河原の洞窟が広がります。柱状節理の断崖が続く高千穂峡とあわせて、神話の里を巡ることができます。高千穂は夜神楽の里としても知られ、舞を通じて岩戸開きの物語に触れられます。
【トリビア】
岩戸景気の時代は、消費革命が一気に進んだ時期でもありました。1958年にはインスタントラーメンが発売され、各地にスーパーマーケットが生まれて流通の近代化が始まります。1959年の皇太子ご成婚では、パレードをひと目見ようとテレビの購入が急増し、白黒テレビの普及率が跳ね上がったことはよく知られた話です。三種の神器が一巡し、人々の関心は次の耐久消費財へと移っていきます。

