石州瓦

(せきしゅうがわら)
📍 島根県 江津市🥢 名産🎭 文化

【概要】

石州瓦は島根県石見地方で生産される赤褐色の瓦で、「赤瓦」として親しまれています。1200℃以上の高温で焼成されるため、凍害や塩害に非常に強く、寒冷地や沿岸部での使用に適しています。独特の赤色は来待石を釉薬に使うことで生まれます。

【歴史】

石州瓦は、島根県西部にあたる石見地方で焼かれてきた瓦です。その起源は一六一九年、浜田城の築城にあたって大坂から瓦職人が招かれたことにあるとされ、当時焼かれていたのはいぶし瓦でした。産地を象徴する赤褐色の瓦が生まれたのは一八〇〇年ごろのことで、石見焼の職人が地元の陶土に来待釉薬を掛けて焼いたことに始まると伝えられ、以来この地の風景をつくる色となりました。

【特徴】

石州瓦の身上は、その硬さと耐久性の高さにあります。都野津層から採れる耐火度の高い陶土を用い、一二〇〇度を超える高温で焼き締めるため、吸水率が低く、凍害や塩害に強い瓦に仕上がるのです。雪深い山陰や北陸、さらに寒冷地の屋根材としても選ばれてきたのはこのためで、釉薬瓦の分野では全国の二割ほどのシェアを占めるといわれ、瓦の産地としては西日本を代表する存在となっています。

【見どころ】

島根県江津市にある産地一帯では、赤褐色の屋根が連なる町並みそのものが見どころです。日本海に面した集落や石見銀山の大森地区、温泉津の古い家々にも石州瓦が葺かれ、緑の山と青い海のあいだで赤い屋根がひときわ鮮やかに映えます。江津市や浜田市、大田市には窯元や地場産業の展示施設もあり、産地ごとに少しずつ違う焼き上がりの色合いを、実物を前にして見比べることができます。

【トリビア】

石州瓦の赤い色のもとになる来待釉薬は、宍道湖の南に広がる来待地区で採れる来待石を砕いてつくられます。この石はあまりに良質だったため、かつて松江藩が領外への持ち出しを禁じた「御止石」であったと伝わります。つまり石州瓦のあの赤は、出雲の石と石見の土という、旧国をまたいだ組み合わせがあってはじめて生まれた色であり、山陰の風土そのものを映した色だといえます。

📅 最終更新: 2026/9/6
石州瓦
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です