三州瓦

(さんしゅうがわら)
📍 愛知県 高浜市🥢 名産🎭 文化

【概要】

三州瓦は愛知県西三河地方で生産される日本一の生産量を誇る瓦です。良質な粘土に恵まれ、いぶし瓦、釉薬瓦、塩焼瓦など多彩な種類が作られています。耐久性と美観に優れ、一般住宅から社寺仏閣まで幅広く使用されています。

【歴史】

三州瓦は、旧三河国にあたる愛知県西三河地方で焼かれてきた粘土瓦です。愛知県高浜市にある産地では、およそ三百年前から瓦づくりが行われてきたと伝わります。瓦づくりに適した良質な粘土が足もとから豊富に採れたこと、そして矢作川や衣浦の水運によって重い瓦を船で各地へ運び出せたことが、この土地の産業を大きく育てました。明治以降は窯や成形技術の改良が進み、全国最大の瓦産地へと成長しています。

【特徴】

三州瓦の最大の特徴は、圧倒的な生産量と種類の多さにあります。国内でつくられる粘土瓦のおよそ六割から七割を占めるとされ、いぶし瓦、釉薬瓦、塩焼瓦という三つの系統がひととおりそろっているのも強みです。焼成の最後に空気を絞って表面に炭素の膜をまとわせるいぶし瓦は落ち着いた銀色に、釉薬瓦は色とりどりに仕上がり、住宅から社寺まで幅広い建物の屋根を守り続けています。

【見どころ】

産地を訪ねるなら、高浜市やきものの里かわら美術館が入口になります。一九九五年に開館した、瓦を主題とする日本で唯一の美術館とされ、瓦の歩んできた歴史や鬼瓦の力強い造形をじっくり見学できます。館の北側には塩焼瓦を焼いていた窯が残り、通称「赤窯」として市の文化財に指定されています。周辺には鬼瓦を並べた散策路「鬼みち」も整備され、歩くだけで産地の空気が伝わります。

【トリビア】

鬼瓦を専門につくる職人は「鬼師」と呼ばれています。全国に七十人から八十人ほどといわれる鬼師のうち、その多くが三州瓦の産地に集まっており、屋根の上で家を守る魔除けを一つひとつ手作業で形づくっています。また、塩焼瓦は焼成の最後に窯へ塩を投げ入れて赤褐色の光沢を出す製法で、昭和三十年代から四十年代にかけては産地の主力商品で、現在それを焼く窯はごくわずかとなっています。

📅 最終更新: 2026/9/6
三州瓦
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です