いかなご醤油

(いかなごしょうゆ)
📍 香川県 高松市🥢 名産🍜 料理

【概要】

いかなご醤油は、香川県で作られる魚醤です。瀬戸内海で獲れるイカナゴを塩漬けにして熟成させます。一時期は生産が途絶えていましたが、近年復活しました。他の魚醤に比べてクセが少なく、上品でまろやかな味わいが特徴で、醤油の代わりに幅広く使えます。

【歴史】

いかなご醤油は、瀬戸内海で獲れるイカナゴを原料とする香川県の魚醤です。景行天皇の御代に讃岐国造となった神櫛皇子が、任地で獲れたイカナゴから魚醤を作って朝廷に献上したという伝承が残ります。記録の上では1886年(明治19年)に木田郡庵治町から水産共進会へ出品されたものが知られ、讃岐の地に古くから根づいた調味料であったことがうかがえます。庵治町は現在の高松市の一部にあたります。

【特徴】

いかなご醤油は、春先に獲れたイカナゴを樽の中で塩と交互に重ね、室温を三十度前後に保ちながら攪拌を繰り返し、半年以上かけて熟成させて作ります。仕上げに上澄みを取って加熱し、数日置いてからろ過すると、淡い色合いの液体になります。ほかの魚醤に比べて癖が少なくまろやかで、旨味のもとになるグルタミン酸などのアミノ酸を豊富に含み、料理にこくと深みを与えてくれるのが特徴です。

【食べ方】

いかなご醤油は癖が穏やかなため、醤油の代わりとして幅広い料理に使えます。煮物や吸い物の隠し味に数滴落とすとぐっとこくが増し、焼き魚や炒め物、パスタ、ドレッシングにもよく合います。現在も香川県高松市にある醸造元などが作り続けていますが、店頭に並ぶことは多くないため、産地の直売所や通信販売で求めるのが確実です。塩分が高いので少量ずつ加えて味を見るとよいでしょう。

【トリビア】

いかなご醤油は、醤油が手に入りにくかった第二次世界大戦中とその直後に代用醤油として盛んに作られましたが、食料事情が豊かになると需要を失い、1960年ごろにいったん姿を消しました。その後、地域の産業を復興させようとする関係者の尽力によって1998年ごろに生産が再開され、今日では秋田のしょっつる、能登のいしると並ぶ日本三大魚醤の一つとして知られる存在になりました。

📅 最終更新: 2026/9/6
いかなご醤油
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です