【概要】
青森県弘前市にある城。津軽統一を成し遂げた津軽氏の居城。天守は当初5層だったが落雷で焼失し、現在は3層。桜の名所として日本屈指の人気を誇る。
【歴史】
弘前城は津軽地方を統一した津軽為信が計画し、その子・信枚が1611年に完成させた城です。築城当時は五層の壮大な天守を誇っていましたが、1627年の落雷で火薬庫に引火し焼失してしまいました。その後およそ200年にわたって天守のない状態が続き、江戸時代後期の1810年になって、ロシア船の接近に備えるという名目で隅櫓を改造した三層の御三階櫓が築かれます。これが東北地方で唯一の現存天守として今に伝わっています。
【特徴】
現在の天守はもともと御三階櫓として建てられたものであるため、華美な装飾は控えられ、窓が少なく狭間も目立たない質実剛健な造りになっています。それでいて切妻破風や石落としを備えるなど、城郭建築としての防御機能と格式はしっかりと押さえられています。重さ約400トンの天守をジャッキで持ち上げて台車に載せ、丸ごと移動させる曳家(ひきや)工事が約100年ぶりに行われ、その技術力にも注目が集まりました。
【見どころ】
日本三大桜名所の一つとして知られ、春にはソメイヨシノやシダレザクラなど約2600本の桜が園内を埋め尽くします。とりわけ、散った花びらが外堀の水面を覆って流れる「花筏(はないかだ)」は、一度は見ておきたい絶景として国内外から人を集めます。広大な弘前公園には植物園や博物館も併設されており、桜の季節に限らず四季折々の自然と文化をゆっくり味わうことができます。
【トリビア】
本丸石垣の修理にともない、天守は2015年に本丸の内側へ約78メートル曳家され、長らく仮の場所に置かれてきました。石垣の積み直しが終わり、2026年には元の天守台へ曳き戻す工事が進められています。移動していた間は、岩木山と天守を一枚の写真に収められる工事期間限定の絶景が生まれ、多くの人を楽しませました。天守の内部は保存修理のため長期にわたって公開が休止されています。


