【概要】
比内地鶏は、国の天然記念物「比内鶏」を祖とする秋田県の銘柄鶏です。赤みが強く適度な歯ごたえと深い旨味成分が特徴で、キジやヤマドリのような野趣ある風味を持ちます。きりたんぽ鍋に欠かせない食材です。
【歴史】
比内地鶏の祖となる比内鶏は、江戸時代に秋田県北部の比内地方で地鶏に軍鶏を交配して生まれたと伝わる古い鶏種で、1942年に国の天然記念物に指定されました。しかし成長が遅く食用には向かなかったため、秋田県畜産試験場が1973年から品種改良に着手し、比内鶏の雄とロードアイランドレッド種の雌を交配した一代雑種を「比内地鶏」として作出しました。
【特徴】
比内地鶏は赤みが強くきめ細かな肉質で、適度な歯ごたえと深い旨味があり、その味わいはキジやヤマドリに似た野趣あふれる風味と評されます。脂の融点が低いため口の中でさらりと溶け、黄金色の脂が濃厚なだしを生み出します。天然記念物の比内鶏そのものは食用にできないため、認証制度のもとで交配・飼育された鶏だけが比内地鶏を名乗ることができます。
【食べ方】
比内地鶏は秋田名物「きりたんぽ鍋」に欠かせない食材で、比内地鶏のだしがきりたんぽやセリ、舞茸に染み渡る味わいは格別です。大館市はきりたんぽ発祥の地とされ、市内には比内地鶏料理を出す店が数多くあります。ほかにも親子丼や焼き鳥、鶏の旨味を凝縮したスープの比内地鶏ラーメンなど、脂と旨味の強さを生かした料理が親しまれています。
【トリビア】
大館市には比内鶏・声良鶏・金八鶏の「秋田三鶏」を展示する秋田三鶏記念館があり、生きた比内鶏を見学できます。2007年には大館市の業者が廃鶏などを比内地鶏として販売していた偽装事件が発覚し、これを機に秋田県はより厳格な認証制度へ移行しました。比内地鶏は名古屋コーチン、薩摩地鶏と並んで日本三大地鶏に数えられています。
📅 最終更新: 2026/9/6

