【概要】
名古屋コーチンは、明治時代に愛知県で作出された日本初の実用鶏種です。赤みを帯びた適度な歯ごたえのある肉質で、コクと旨味が強く「地鶏の王様」と称されます。ブロイラーの約3倍の日数をかけてじっくりと育てられます。
【歴史】
名古屋コーチンは、明治維新で禄を失った元尾張藩士の海部壮平・正秀兄弟が、1882年頃に現在の小牧市池之内で、中国産のバフコーチンと尾張地方の地鶏を交配して作り出した鶏に始まります。飼いやすく卵も肉も優れることから「海部鶏」「薄毛」の名で評判を呼び、1905年には日本家禽協会から国産初の実用鶏として認定されました。正式な品種名は「名古屋種」です。
【特徴】
名古屋コーチンは卵肉兼用種で、肉はよく締まって弾力があり、噛むほどにコクのある旨味が広がるのが持ち味です。出荷まで約120〜150日と、ブロイラーの2倍以上の日数をかけてじっくり育てられます。卵は殻が美しい桜色をしており、卵黄の色が濃く滑らかで濃厚な味わいです。「地鶏の王様」と称され、全国のブランド地鶏の中でも最も知名度が高い存在です。
【食べ方】
名古屋コーチンは味の濃さを生かし、鶏すきや水炊き、親子丼、焼き鳥など幅広い料理で楽しまれています。名古屋市内には専門店が多く、皮を炙って香ばしさを引き出す焼き物や、桜色の卵を使った濃厚なプリンや卵かけご飯も人気です。鶏肉のすき焼き「ひきずり」は尾張地方の郷土料理で、大晦日に一年の嫌なことを引きずらないよう食べる風習が伝わります。
【トリビア】
「名古屋コーチン」の名は、名古屋周辺から出荷されたことから明治30年代ごろに定着したもので、発祥の地は名古屋市ではなく小牧市です。小牧市では2006年から「名古屋コーチンプロジェクト」を組織してPRを行い、池之内には発祥の碑が建てられています。愛知県では美味しい鶏肉を「かしわ」と呼ぶ習慣があり、名古屋コーチンはその代名詞的な存在となっています。
