【概要】
滋賀県彦根市にある城。井伊直継・直孝によって約20年の歳月をかけて築城された。別名「金亀城(こんきじょう)」。多彩な屋根の破風(はふ)が重なり合う美しい外観が特徴。ゆるキャラ「ひこにゃん」でも有名。
【歴史】
関ヶ原の戦いの後、徳川四天王の一人・井伊直政が新たな拠点を計画しましたが、志半ばで病没。その遺志を継いだ直継と直孝が、1603年から約20年の歳月をかけて完成させました。築城にあたっては、天下普請として近隣の大名が動員されたほか、大津城、佐和山城、長浜城など、廃城となった周辺の城から石垣や用材が徹底的にリサイクルされたことでも知られています。
【特徴】
三層三階と比較的小規模な天守ですが、そのデザインは極めて変化に富んでいます。切妻破風、入母屋破風、唐破風など、様々な様式の屋根(破風)が巧みに組み合わされており、見る角度によって全く異なる表情を見せます。また、敵の侵入を防ぐために、「登り石垣」や「天秤櫓(てんびんやぐら)」など、実践的な防御機能が随所に施されている点も、軍事施設としての完成度の高さを示しています。
【見どころ】
天守内部にある鉄砲狭間や矢狭間は、外からは見えにくいように工夫されており、当時の武士の知恵を感じさせます。また、非常時に橋を落として敵の侵入を防ぐことができる「天秤櫓」(重要文化財)は、左右対称の美しい姿をしていますが、実は長浜城の大手門を移築したものと伝えられています。城の北側にある大名庭園「玄宮園」から水面に映る天守を眺めるのも風情があります。
【トリビア】
彦根城の天守は、元々は大津城の天守を移築・改修したものであることが、解体修理の際の部材調査で判明しています。大津城は関ヶ原の戦いの前哨戦で激しい攻防戦が繰り広げられた城であり、その天守がこうして残っていることは歴史のロマンを感じさせます。また、大人気キャラクター「ひこにゃん」は、二代藩主・井伊直孝を雷雨から救ったとされる招き猫伝説がモデルになっています。


