【概要】
桧原湖は、福島県北塩原村にある裏磐梯三湖のうち最も大きな湖で、面積は約10.7平方キロメートルあります。1888年の磐梯山噴火で流れ下った土砂が谷をせき止めて生まれ、会津と米沢を結ぶ街道の宿場だった桧原宿は湖の底に沈みました。南北に細長い湖面には噴火の堆積物でできた小島が点在し、夏は遊覧船、冬は氷上のワカサギ釣りでにぎわいます。
【歴史】
桧原湖の北部には、かつて会津と米沢を結ぶ街道の宿場として桧原宿がありました。1888年の噴火で流れ出た土砂が川をせき止めると水位がじわじわと上がり、数か月のうちに集落は湖に沈んだと伝えられます。近年は京都大学などの調査チームが潜水や水中ドローンで湖底を調べ、参道の並木や石垣の跡を確認しています。災害の前後が記録に残る珍しい水中遺跡です。
【特徴】
桧原湖は湖面の標高が約822メートル、最大水深は約30メートルで、磐梯高原でいちばん広い湖です。南北に細長く入り組んだ湖岸線をもち、湖面に浮かぶ大小の島々は、噴火の際に崩れ落ちた山の土砂が小高く積もってできたものとされます。湖の南端から北の端まで車で走ると、入り江ごとに異なる景色が現れ、湖が予想以上に大きいことに驚かされます。
【見どころ】
湖の南岸から出る遊覧船に乗れば、緑の小島のあいだを縫うように進みながら、振り返った先に噴火で削られた磐梯山の荒々しい北壁を眺められます。北岸の金山浜には木道が延び、杉並木の跡である埋没林を間近に見られます。近くの会津米澤街道桧原歴史館では、湖底に沈んだ桧原宿の町並みがジオラマで再現されています。運航期間や開館時間は季節によって変わります。
【トリビア】
金山浜の近くには大山祇神社の鳥居が噴火を生き延びて残り、同じ神社のもう一基の鳥居は湖の中に沈んでいます。冬から春先にかけて水位が下がる時期には、その鳥居が湖面から姿を現すことがあり、湖に沈んだ村の記憶を伝える風景として知られます。冬に湖が厚く凍ると、桧原湖は氷上のワカサギ釣りの名所となり、湖面に色とりどりのテントが並びます。
