【概要】
北アルプスの針ノ木岳と蓮華岳の間にある標高2,541mの峠。かつては富山と信州を結ぶ重要な交易路であり、戦国武将佐々成政の「さらさら越え」の舞台としても有名。現在は北アルプス登山の要所。
【歴史】
針ノ木峠は長野県大町市にある標高2536メートルの峠で、富山県との県境をなす稜線上に位置し、日本三大峠の一つに数えられています。後立山連峰と立山連峰にはさまれたこの鞍部は、江戸時代には日本海側の塩を信州へ運ぶ「塩の道」として使われました。戦国武将の佐々成政が真冬に山越えをしたという「さらさら越え」の舞台の候補地としても語られ、伝説の残る峠として知られています。
【特徴】
針ノ木峠は北アルプスでも奥深い位置にあり、扇沢を出発して日本三大雪渓の一つに数えられる針ノ木雪渓をたどって登り着きます。雪渓歩きは初夏から夏にかけての名物で、涼しい風を受けながら白い谷を詰めていく行程は忘れがたい体験になるはずです。峠には針ノ木小屋が建ち、ここを起点として針ノ木岳や蓮華岳への稜線歩きを楽しむ登山者が数多く訪れます。
【見どころ】
峠からは眼下に黒部湖を、正面に立山連峰を望む雄大な展望が広がります。針ノ木岳や蓮華岳へは往復数時間で登ることができ、なかでも蓮華岳はコマクサの群落で名高く、七月には砂礫の斜面が淡い紅色に染まります。扇沢からの日帰りも不可能ではありませんが、針ノ木小屋に一泊して朝焼けに染まる稜線を眺めるのが何よりのぜいたくといえるでしょう。
【トリビア】
さらさら越えの経路については、立山側のザラ峠を通ったとする説もあり、いまだ決着はついていません。日本三大雪渓とは白馬大雪渓、剱沢雪渓、そしてこの針ノ木雪渓を指します。針ノ木雪渓は真夏でも雪が残るためアイゼンやピッケルの用意が欠かせず、雪の状態によっては通行が難しくなることもあります。登山の起点となる扇沢は黒部ダム観光の玄関口でもあります。

