【概要】
北アルプス・裏銀座コースの入口に位置する急登。かつては北アルプス三大急登の一つとして恐れられていましたが、現在は整備が進み比較的登りやすくなっていますが、依然として標高差約1,200mを一気に登る体力勝負のルートです。
【歴史】
烏帽子岳(ブナ立尾根)は、長野県大町市にある北アルプスの一峰へ、高瀬川の谷から一直線に直登する尾根道です。険しい谷に阻まれて長く近づきがたい山域でしたが、高瀬ダムの完成によって登山口がダム湖の畔まで押し上げられ、現在の姿になりました。北アルプス三大急登の一つであると同時に日本三大急登にも数えられ、裏銀座縦走路への入口として多くの登山者に踏まれてきました。
【特徴】
高瀬ダム脇の登山口から標高2550メートルの烏帽子小屋まで、休む間もなく高度を上げ続けるのがブナ立尾根です。山頂の標高は2628メートルで、登山口からの標高差はおよそ1400メートルに達します。登山道には12番から0番へと数を減らしていく番号標識が置かれ、これを目安に残りの行程を測りながらペースを組み立てられる点が、この尾根の親切なところといえます。
【見どころ】
尾根の下部は名前の由来となったブナをはじめとする落葉樹の豊かな森に覆われ、新緑の季節には柔らかな緑に、秋には黄金色の黄葉に包まれます。登り切って稜線に出れば、槍ヶ岳へと続く裏銀座縦走路の大きな眺めが一気に姿を現し、それまでの苦労が報われます。烏帽子岳の頂は名の通り烏帽子のように尖った岩峰で、短い鎖場を越えて立つ頂上からの眺めもまた格別なものがあります。
【トリビア】
三大急登に数えられながら、ブナ立尾根は登山道がよく整備されており、階段状に踏み固められた道をペースを守って登れば確実に高度を稼げるという評価もあります。厳しさは傾斜そのものよりも、大きな標高差を一日で登り切る持久力のほうに表れると言えるでしょう。登山口の高瀬ダムへは、手前の七倉からタクシーで入るのが一般的で、この移動を含めて行程を組む必要がある点も、この尾根ならではの特色といえます。

