甲斐駒ヶ岳(黒戸尾根)

(かいこまがたけ)
📍 山梨県 北杜市🌿 自然⛰️ 名所

【概要】

日本アルプス三大急登の一つにも数えられる、標高差約2,200mの長大で過酷なルート。「刃渡り」と呼ばれる岩稜や鎖場、梯子が連続し、体力と技術が求められます。頂上からの展望は絶景です。

【歴史】

甲斐駒ヶ岳(黒戸尾根)は、山梨県北杜市にある標高2967メートルの名峰へ、麓の里から一気に突き上げる古い登拝路です。文化13年(1816年)に弘幡行者と呼ばれた小尾権三郎がこの尾根を通って開山したと伝わり、以後は駒嶽講の信者が列をなして登る信仰の道となりました。登山道として整えられた今日でも、日本三大急登の筆頭として多くの登山者に知られています。

【特徴】

登山口となる竹宇駒ヶ岳神社は標高およそ770メートルにあり、そこから山頂までの標高差は約2200メートルに及びます。登りのコースタイムは9時間半ほど、下りも5時間半を超え、日本の一般登山道では屈指のスケールを誇ります。五合目から七丈小屋のある七合目にかけては鎖場と梯子が連続し、体力に加えて高度感に慣れた確かな足運びが求められる、上級者向けのルートです。

【見どころ】

尾根の途中には石碑や石仏、祠、鳥居などが数多く点在し、威力不動尊を祀る不動岩をはじめ、かつて修験の道であった名残を随所に見ることができます。片側が切れ落ちた「刃渡り」は緊張を強いられる場所である一方、視界が一気に開ける展望地でもあります。長い登りの末に山頂に立てば、南アルプスの峰々から富士山、八ヶ岳、遠く北アルプスまでを見渡す大展望が待っています。

【トリビア】

山頂付近は白い花崗岩に覆われ、遠くから望むと季節を問わず雪をかぶったように白く輝いて見えます。その端正な山容から「南アルプスの貴公子」と呼ばれることもあります。開山者の権三郎は25歳という若さで世を去ったと伝わり、のちに駒嶽講の信者たちから追号を贈られました。急登の厳しさの背後には、人々の信仰が長い年月をかけて積み重なってきた歴史が横たわっています。

📅 最終更新: 2026/9/6
甲斐駒ヶ岳(黒戸尾根)
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です