【概要】
千葉県南房総地域で作られる「房州うちわ」は、細い女竹(めだけ)を使用し、竹の丸みをそのまま活かした「丸柄」が特徴です。うちわ面には「窓」と呼ばれる半円形の格子模様が美しく編み込まれています。しなやかで風当たりが優しく、実用性と美しさを兼ね備えた工芸品です。
【圧倒的なシェア】
香川県丸亀市を中心に生産されており、日本のうちわ生産量の約9割を占めるという圧倒的なシェアを誇ります。国の伝統的工芸品に指定されています。特徴は「平柄(ひらえ)」で、一本の竹を割いて平らに削り、そのまま扇面の骨として広げていく製法が一般的です(男竹を使用)。持ち手が平たいため手にフィットしやすく、仰ぎやすいのが特徴です。
【歴史】
江戸時代初期(寛永年間)、金刀比羅宮(こんぴらさん)参拝の土産物として、朱色の「渋うちわ(天狗うちわ)」が作られたのが始まりです。その後、丸亀藩が武士の内職として奨励したことで生産が拡大しました。丸亀藩主京極家が、藩の特産品として保護・奨励したことも大きな要因です。古くから「伊予竹に土佐紙貼りてあわ(阿波)ぐれば讃岐うちわで至極(四国)涼しい」と歌われました。
【多様性】
大量生産に適した実用的なものから、伝統的な技法を凝らした高級品まで、非常に多種多様なうちわが作られています。軽くて仰ぎやすく、丈夫であることが特徴で、広告用やイベント用のプラスチック製うちわ(ポリうちわ)のルーツとも言える存在です。現在では、エコな素材として竹製のうちわが見直され、デザイン性の高いモダンなうちわも数多く作られています。
📅 最終更新: 2026/1/3

