【概要】
雲仙天草国立公園に含まれ、大小さまざまな島々が連なる景勝地。天草五橋(パールライン)が島々を結び、ドライブコースとしても人気。夕陽百選にも選ばれた美しい夕景が楽しめます。
【歴史】
天草松島は、熊本県上天草市の大矢野島と天草上島の間に浮かぶ島々を指す呼び名で、宮城の松島に景色が似ていることからこう呼ばれてきました。雲仙天草国立公園に含まれる海域ですが、かつては船でしか渡れない土地でした。昭和41年(1966年)9月に天草五橋が開通し、車で島々を巡れるようになって、一躍知られる存在となりました。橋の完成は、天草の暮らしと観光を大きく変える出来事でもありました。
【特徴】
天草五橋は、天門橋、大矢野橋、中の橋、前島橋、松島橋の五つからなり、それぞれ構造が異なります。二号橋から五号橋までのわずか3キロ足らずの海に大小の島が点在し、この区間の眺めこそが天草松島と呼ばれます。真珠の養殖が盛んな土地柄にちなんで天草パールラインと名づけられた道路は、海の上を走る道として人気です。橋の姿と島影が重なる眺めは、車を降りて展望所から見るのがおすすめです。
【見どころ】
島々を見下ろすなら、国の名勝に指定された千巌山と、標高117メートルの高舞登山が代表格です。高舞登山は日本の夕陽百選にも選ばれており、島影と橋のシルエットが茜色に沈む光景が待っています。海に出れば野生のミナミハンドウイルカが年間を通して見られ、船と並んで泳ぐ姿に出会える確率は高いと言われます。周辺には海を望む温泉宿や、車海老をはじめとする海の幸を出す店も点在しています。
【トリビア】
天草に橋を架ける構想は、昭和11年(1936年)に地元の県会議員だった森慈秀が唱えたことに始まります。着工から四年余りで完成した天草五橋は有料道路として開通し、39年かけて返す計画だった建設費を、押し寄せた観光客のおかげでわずか9年で償還しました。昭和50年(1975年)8月には無料開放されています。地元では、長く待ち望まれた悲願の橋として語り継がれています。

