【概要】
最上川は山形県を縦断して日本海に注ぐ日本三大急流の一つ。「五月雨をあつめて早し最上川」と松尾芭蕉に詠まれたことで有名。かつては紅花などの水運で栄え、現在は舟下りが観光の目玉となっている。
【歴史】
最上川は山形県を流れる一級河川で、全長229キロメートルは一つの都府県だけを流れる川としては日本一の長さになります。松尾芭蕉が『おくのほそ道』の旅でこの川を舟で下り、「五月雨をあつめて早し最上川」の一句を残したことでも知られています。江戸時代には米や紅花を運ぶ舟運の大動脈として栄え、酒田市の河口からは日本海の航路を通じて上方まで荷が運ばれていきました。
【特徴】
最上川は月山や朝日連峰などに降った水を集めながら盆地を北へ向かい、酒田市で日本海へと注ぎます。流域の中ほどにある最上峡は両岸に断崖が迫る雄大な峡谷で、舟下りの舞台として名高い区間です。船頭が唄う最上川舟唄を聞きながら川面をゆっくり進むひとときは格別で、春の新緑、夏の涼風、秋の紅葉、冬の雪景色と四季それぞれに違った表情を見せてくれます。
【見どころ】
最上川舟下りは戸沢村の古口港から草薙港までのおよそ十二キロメートルを一時間ほどかけて下る人気の遊覧です。途中では落差百二十メートルを超える白糸の滝が岸壁を白く流れ落ち、船上から間近に眺めることができます。終点近くの温泉で汗を流して帰るのもよいでしょう。芭蕉が舟に乗ったと伝えられる本合海は、俳句を愛する人々が今も訪れる場所になっています。
【トリビア】
芭蕉が最上川を下ったのは旧暦の五月にあたる梅雨どきで、水かさの増した激しい流れを目にしたからこそ「早し」と詠んだのだと言われています。舟下りは冬も休まず運航され、船内に炬燵を据えた「こたつ舟」から雪景色を眺めるのが庄内の冬の風物詩です。山形の人々は今も最上川を母なる川と呼び、県民歌にもその名が高らかにうたわれています。
