【概要】
丸山千枚田は三重県熊野市にある日本最大級の棚田で、約1340枚の田んぼが急斜面に階段状に広がります。機械に頼らず手作業で保全されている貴重な文化的景観であり、6月には松明を灯す伝統行事「虫送り」が行われ、幻想的な夜景が見られます。
【歴史】
丸山千枚田は三重県熊野市にある日本最大級の棚田で、紀和町の山あいに広がります。その歴史は約400年前の慶長年間に遡るとされます。かつては2240枚の田んぼがありましたが、過疎化や高齢化で一時は530枚まで減少しました。1993年に地元住民が「丸山千枚田保存会」を結成し、オーナー制度の導入など復田活動を展開します。現在は約1340枚まで回復し、住民とオーナーの協力で棚田の景観が守られています。
【特徴】
丸山千枚田は標高約90mから320mの急斜面に約1340枚の田んぼが階段状に連なる壮大な景観を持ちます。一枚一枚が小さく不整形な田んぼが幾重にも重なる姿は、まさに「千枚田」の名にふさわしいものです。機械が入れない急斜面のため、田植えや稲刈りは今も手作業で行われています。この人の手による営みそのものが文化的景観として高く評価され、日本の棚田百選や「日本の農村景観100選」にも選ばれました。
【見どころ】
丸山千枚田の最大のイベントは6月に行われる「虫送り」で、約1300本の松明が棚田の畔に灯される幻想的な光景は圧巻です。害虫を追い払う伝統行事が、今日では一大観光イベントとなっています。展望台からの眺望が最も美しいのは、田植え直後の6月と稲穂が色づく9月です。周辺には世界遺産の熊野古道があり、棚田と古道を組み合わせたトレッキングツアーも人気です。オーナー制度に参加すれば農業体験もできます。
【トリビア】
丸山千枚田の最も小さい田んぼはわずか0.5平方メートルほどで、雑誌1ページ分程度しかありません。オーナー制度は年間3000円程度の会費で棚田の一区画のオーナーになれる仕組みで、収穫した米が届く特典もあります。ここで採れる米は山間部の寒暖差と清流の水で育つため品質が高く、「幻の米」として珍重されてきました。世界遺産・熊野古道の通り峠から見下ろす眺望は「日本一の棚田ビュー」と称えられています。
