【概要】
「清水の舞台から飛び降りる」のことわざでも有名な、高さ約13メートルにもなる懸造りの本堂舞台です。釘を一本も使わずに組み上げられた木造建築の傑作で、京都市街を一望できる絶景スポットとして知られています。
【歴史】
京都府京都市にある清水寺は、778年に延鎮上人が音羽の滝のほとりへ草庵を結んだことに始まると伝わり、のちに坂上田村麻呂が堂宇を寄進して寺観が整えられたとされます。本堂から前方に大きく張り出す「清水の舞台」は、本尊の観音菩薩に舞楽や芸能を奉納するための場として設けられたものです。現在の本堂と舞台は度重なる焼失を経て、1633年(寛永10年)に三代将軍徳川家光の寄進によって再建されました。
【特徴】
清水の舞台は、崖にせり出した床を長い柱で支える「懸造り」という日本古来の工法で組まれています。舞台を支えるのは139本ものケヤキの柱で、釘を一本も使わず貫を縦横に通して固定するため、木材の伸縮や地震の揺れを受け流すことができます。高さは約13メートル、面積はおよそ190平方メートルにおよび、床には木曽や天竜から運ばれたヒノキの板が敷き詰められています。
【見どころ】
舞台に立つと眼下に錦雲渓の緑が広がり、その先に京都の街並みを一望できます。春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉と表情が移り変わり、季節ごとに行われる夜間特別拝観ではライトアップされた舞台が闇のなかに浮かび上がります。本堂の檜皮葺きの葺き替えを含む「平成の大修理」は2020年12月に完了し、よみがえった屋根と清水の舞台の姿を再び間近に眺められるようになりました。
【トリビア】
「清水の舞台から飛び降りる」という慣用句は、この舞台が由来です。江戸時代には願いが叶うと信じて飛び降りる人が相次ぎ、成就院に残された日記には1694年から1864年までの234件が記録されています。生存者は二百人あまりで生存率は八割を超えたといい、飛び降りた人の約七割は女性だったと伝わります。なお舞楽を奉納する舞台としての「日本三舞台」には、別の三つの社寺を挙げる説もあります。
