京浜工業地帯

(けいひんこうぎょうちたい)
📍 東京都 大田区📦 その他🏯 歴史

【概要】

東京、川崎、横浜の沿岸部(京浜運河沿い)と内陸部に展開する工業地帯。出版・印刷業や、高度な技術を要する精密機械、電気機械器具製造業の割合が高いのが特徴です。首都消費地に近接している地理的優位性を持っています。

【歴史】

京浜工業地帯は、東京都大田区をはじめ、川崎市や横浜市へと連なる東京湾西岸に広がる工業地帯です。明治末から大正期にかけて浅野総一郎らが進めた大規模な埋め立て事業によって臨海部に広大な工場用地が生まれ、そこへ製鉄や造船などの重化学工業が次々と集まりました。戦後の高度経済成長期には製造品出荷額等で長らく全国一位を保ち続け、日本の産業全体を力強く牽引した地域です。

【特徴】

京浜工業地帯の最大の強みは、世界有数の大消費地である首都圏を背後に控えていることです。出版社や新聞社が集中する立地を反映して印刷・出版業の比重が全国的に見ても際立って高く、食品や日用品の製造も盛んに行われています。加えて自動車や電気機械、精密機械といった機械工業の割合も大きく、内陸側の大田区には高い技術力を誇る小さな町工場が数多く密集しています。

【見どころ】

川崎市や横浜市の臨海部には製鉄所、石油精製所、火力発電所などが立ち並び、夜になると無数の照明にプラントの複雑な輪郭が浮かび上がります。この「工場夜景」は2000年代半ばから人気を集め、屋形船やクルーズ船、バスで巡るツアーが定着しました。なかでも千鳥町や浮島町の一帯は工場夜景の聖地とも呼ばれ、写真愛好家やドライブを楽しむ人々が夜ごと足を運ぶ名所となっています。

【トリビア】

2011年には川崎市が中心となって第1回の全国工場夜景サミットが開かれ、工業地帯の景観を観光資源として生かそうという動きが全国の都市へと広がっていきました。一方で京浜工業地帯の製造品出荷額等は、工場の海外移転や産業構造の転換などによって伸び悩んでおり、近年は中京・阪神の両工業地帯に加え、瀬戸内工業地域や関東内陸工業地域にも抜かれる状況が続いています。

📅 最終更新: 2026/9/6
京浜工業地帯
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です