【概要】
平安時代から貴族に愛された京都を代表する景勝地。渡月橋越しに見る嵐山の紅葉や、天龍寺の庭園、嵯峨野トロッコ列車からの渓谷美など、優雅で風情ある秋の景色を堪能できます。
【歴史】
嵐山は、平安時代に貴族の別荘や離宮が営まれた景勝地で、大堰川に舟を浮かべて紅葉や月を愛でる遊びが繰り返されてきました。中心に架かる渡月橋は、承和年間に僧の道昌が架けたのが始まりと伝わり、当初は法輪寺橋と呼ばれています。鎌倉時代に亀山上皇が、橋の上を渡ってゆく月の姿になぞらえて渡月橋と名づけたと伝わり、その周辺に天龍寺をはじめとする寺々が営まれて、今日の景観が形づくられました。
【特徴】
京都府京都市にある嵐山は、標高約380メートルの山と大堰川、そして寺社の甍が一枚の絵のようにおさまる点に持ち味があります。紅葉の見頃は11月中旬から下旬で、山肌のヤマモミジやハゼ、コナラが赤と橙と黄を混ぜた錦を織り、対岸の亀山や小倉山まで色が続きます。桜の葉も同じころに色づくため赤の階調が幅広く、古都の建築と山の彩りが響き合う、ほかにはない優雅な秋の景観が生まれます。
【見どころ】
渡月橋から仰ぐ嵐山の全景が定番ですが、世界遺産の天龍寺では、曹源池庭園が背後の山を借景に取り込み、水面に紅葉を映します。常寂光寺の多宝塔を包む紅、二尊院の参道「紅葉の馬場」、祇王寺の苔に散り敷く葉と、寺ごとに趣が異なるのも魅力です。嵯峨野トロッコ列車や保津川下りからは、渓谷の斜面を染める紅葉を車窓や水面から間近に眺めることができます。
【トリビア】
毎年11月の第2日曜には、渡月橋の上流で「嵐山もみじ祭」が催されます。1947年に始まった行事で、天龍寺船や野宮船などの飾り船が大堰川に浮かび、船上で今様や舞楽、嵯峨大念仏狂言といった古典芸能が披露されます。嵐山の地に鎮まる蔵王権現へ、紅葉の恵みを感謝する意味を込めた祭として受け継がれており、平安絵巻さながらの光景を岸辺から見物することができます。

